努力の人ブルース・リー



夫に対する誤解の一つは、
天性の豊かな才能に恵まれていたのだから
成功して当たり前なのだというものだ。


もちろん彼には才能があった。


しかし、ブルースが自分の能力を磨き、
完成させるために、
懸命な努力を払ったという事実には、
十分な注意が払われてこなかったように思えてならない。


私が知っていたり噂に聞いたりした武道家の中で、
彼ほどトレーニングに励む者はいなかった。


何百万というファンが、
ブルースは特別な肉体をもって生まれてきたと信じているが、
私がブルースは純粋な刻苦精励と意志力と猛訓練によって
あのきわだった体格をつくったのだと言っても、
信じてくれない人が大勢いるのだ。


リンダ・リー(ブルース・リーの妻)




ブルース・リーを誰よりも身近で見ていた
リンダ夫人だからこそ真のブルース・リーの姿が
わかってきます。



映画などで見るブルース・リーは
彼の完成形の姿ですが、
その完成形に至る道のりは
あまりのアクションのすごさに
見過ごされています。



しかし、確かにあのテクニック、
あの肉体を創り上げるのにかかる時間は
相当なものであるはずです。



誰よりも努力し、
誰よりも自分に厳しく、
誰よりも高みを目指した男の姿が
スクリーンの中に現れています。



だからこそ、
時代を越えて
誰もが圧倒的なブルース・リーの存在感に
虜になってしまうのでしょう。



ちりも積もれば山となる。


まさに私たち凡人も
何かしらの1つの塵を積み重ねて
ブルース・リーとまではいかなくても
完成形を目指して頑張らなければと
気合いを入れてくれる言葉でした。