映画の中のブルース・リーは、
鋭い眼光と圧倒的な強さを持つ人物です。
しかし、家庭ではどのような夫であり、
どのような父親だったのでしょうか。
その素顔を知るうえで、最も貴重なのが、
妻リンダ・リー・キャドウェル夫人の証言です。
リンダ夫人が語るブルース・リーは、
武術と読書に打ち込み、未来を語り、
失敗しても再び歩き出す人でした。
リンダ・リー夫人とは?
リンダ・リー・キャドウェル夫人は、
ブルース・リーの妻であり、
ブランドン・リーとシャノン・リーの母親です。
二人は1964年に結婚しました。
ブルース・リーが武術家、指導者、俳優として道を切り開く時期を、
リンダ夫人は家庭から支え続けました。
映画で作られたイメージではなく、
毎日、同じ家で暮らした妻の言葉だからこそ、
ブルース・リーの人間性が見えてきます。
リンダ夫人が語ったブルース・リーの素顔
旧記事で紹介していたリンダ夫人の言葉を整理すると、
ブルース・リーには、次のような一面がありました。
リンダ夫人は、ブルース・リーほど前向きな人を、
ほかに見たことがないという趣旨の言葉を残しています。
ここでいう前向きさは、
嫌なことを見ないふりすることではありません。
現実を受け止めたうえで、
「それでは、次に何ができるか」と考え、
再び行動へ移す強さです。
ブルース・リーは、恐ろしいほどの読書家だった
私がブルース・リーを好きになった最初の理由は、
その佇まい、鍛え抜かれた肉体、
そして誰にもまねできないアクションでした。
だからこそ、後になって、
膨大な本を読み、本のいたるところへ線を引いていたと知ったときは、
本当に驚きました。
リンダ夫人の著書『ブルース・リー・ストーリー』では、
蔵書は数千冊に及ぶと描かれています。
現在、公式アーカイブに残る本も約1,700冊あります。
さらに、リンダ夫人の著書には、
ブルース・リーがワシントン大学で哲学を学び、
教授の代わりに教壇へ立ったこともあったと書かれています。
彼は、本を読んで知識を集めただけではありません。
気になった考えへ線を引き、ノートに書き、
武術や生き方の中で使える形へ変えていきました。
あの研ぎ澄まされた動きの奥には、
身体の鍛錬と同じくらい激しい、
頭と心の鍛錬があったのです。
「WALK ON」に表れた、本当の前向きさ
ブルース・リーの生き方を象徴する言葉が、
WALK ONです。
1969年、ブルース・リーはトレーニング中に背中へ大けがを負い、
以前のように武術を続けるのは難しいと告げられました。
それでも、自分の身体とけがを研究し、
回復するための方法を探し続けました。
その途中、自分の名刺の裏へ「WALK ON」と書き、
毎日見える場所へ置いたといいます。
WALK ON
立ち止まりそうになっても、
今できる一歩を選び、歩き続ける。
療養中、思うように身体を動かせない時間を、
ブルース・リーは読書と執筆へ使いました。
後に残る多くの哲学的な文章が書かれたのも、
この回復期間です。
けがは望んだ出来事ではありません。
しかし、その時間から新しいものを生み出した。
これが、リンダ夫人の見ていた前向きなブルース・リーなのでしょう。
強いだけではない、父親としてのブルース・リー
ブルース・リー公式ポッドキャストで、
リンダ夫人は、ブルースが自分の最大の成果を、
「父親になったこと」だと考えていたと話しています。
指導、移動、トレーニング、撮影と、
毎日の予定は一定ではありませんでした。
一方、その不規則さによって、
ブランドンとシャノンの二人と過ごせる時間もあったそうです。
また家庭では、冗談を言い、人を笑わせ、
楽しい空気を作る人でもありました。
スクリーンで見せる厳しい表情だけでなく、
よく笑い、子供を大切にする父親だった。
この姿を知ると、ブルース・リーが少し身近に感じられます。
困っている人を見過ごさない優しさ
リンダ夫人は、ブルース・リーの寛大さについても語っています。
1965年に香港を訪れた際、
生活に困っている人を見かけると、
ブルースは硬貨を渡し、優しい言葉をかけていたそうです。
夫婦に十分なお金がなかった時期にも、
お金、時間、自分の技術を、
必要とする人へ惜しまず分けていました。
さらに、彼の道場には人種や立場を問わず、
さまざまな人が集まっていました。
映画スターと普通の人で、教え方を変えることもなかったといいます。
ブルース・リーの強さは、
自分を大きく見せるための強さではありません。
人の背景を越えて、同じ人間として向き合う強さでもあったのです。
私たちが「WALK ON」を実践する3つの方法
大きな困難に直面したときほど、
最初から完璧な答えを出そうとすると動けなくなります。
- 変えられない現実と、今できることを分ける
失ったものだけでなく、まだ使える時間や力を探します。 - 次の一歩を小さく決める
本を1ページ読む、5分だけ練習するなど、今日できる行動へ変えます。 - 失敗を、次の改善点へ変える
自分を責め続けず、「次は何を変えるか」を一つ決めます。
歩き続けるとは、無理をして走り続けることではありません。
今の自分にできる形へ変えながら、
進む方向だけは見失わないことです。
妻の目から見たブルース・リーを知る本
リンダ・リー『ブルース・リー・ストーリー』
映画スターとしての記録だけでなく、
妻として最も近くで見たブルース・リーの努力、学び、
家庭での姿を知りたい人に合う一冊です。
本記事で残したワシントン大学や、
教授の代わりに教壇へ立ったという話も、
この本に基づいています。
現在は中古本が中心のため、
在庫や価格は変わることがあります。
※本記事はAmazonアソシエイト・プログラムを利用しています。
よくある質問
ブルース・リーの妻は誰ですか?
リンダ・リー・キャドウェル夫人です。
二人は1964年に結婚し、
ブランドン・リーとシャノン・リーの二人の子供を育てました。
「WALK ON」とは、どういう意味ですか?
直訳すれば「歩き続ける」「前へ進み続ける」です。
背中の大けがから回復する時期に、
ブルース・リーが自分を励ます言葉として使いました。
ブルース・リーは家庭でも厳しい人だったのですか?
リンダ夫人の証言では、努力家である一方、
冗談やいたずらが好きで、
家庭へ笑いをもたらす父親でもありました。
まとめ:本当の強さは、何度でも歩き出すこと
リンダ夫人が見ていたブルース・リーは、
生まれながら何でもできた完璧な英雄ではありません。
毎日鍛え、本を読み、未来を考え、
失敗や大けがに直面しても、
次にできることを探した人です。
その姿を一言で表すのが、
WALK ONなのでしょう。
思いどおりに進めない日にも、
自分にできる一歩は残っています。
小さくても、その一歩を選び続けたいと思います。
参考:Bruce Lee公式サイト「Linda Lee Cadwell」
参考:Bruce Lee公式サイト「Walk On」
参考:Bruce Lee公式サイト「Joy and Laughter」
参考:Bruce Lee公式サイト「Linda on Bruce and Brandon」
参考書籍:リンダ・リー『ブルース・リー・ストーリー』