修練の頂点にあるのは、実際は何も特別なことではない。
それは最大限のことを最小限に表現する力、
つまり単純化するだけのことなのだ。
中途半端な修行は飾りだけの世界に導く。
ブルースリー
これは街中の喧嘩でも当てはまるかもしれません。
武道をやっている人間が肝に銘じておかなければならないことは
武道は習い始めが一番危ないということです。
特に若い人は、武道を習い始めると自信がつき、
いらない喧嘩をする場面が増えることがあります。
今までだったら自然に喧嘩ができていて
強かった人が
逆に武道を習い始めて弱くなるということがあります。
それは自分の自然な動きが
武道によって制限されてしまっているからです。
今までだったらフック気味に拳をぶんぶん振り回して
喧嘩に勝っていた人が
刻み突きを覚えて、脇をしめて正しいフォームで
パンチをしていたら、逆に体がこわばって
どんどん相手からプレッシャーをかけられてしまう
ということが起こりえるのです。
そのため、武道は習い始めのうちは
おとなしく真摯に武道に向き合うことが大切です。
そして、技を技と意識しなくても
勝手に体が動くほど習得したら、
動きは単純化し、
自分が思う通りに体を動かすことが
できるんだと思います。
柳生石舟斎のように
一見普通そうなおじいさんが
世界最強なんて逸話もあるくらいです。
極めし者は単純になっていき、
物腰柔らかい強い人になる。